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アロハシャツと言えば、パイナップルやココナッツなどのトロピカルなモチーフで、カラフルな色彩のデザインをした開襟シャツとして、すぐ思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
MAJUNスタッフが独自にアンケートを取ったところ、「かりゆしウェア」が72%に対して、「アロハシャツ」の認知度はなんと100%。10代~50代と幅広い年齢層で100人中100人が「アロハシャツを知っている」と答えています。
そんなアロハシャツの起源には諸説ありますが、日本の和服から派生したという説が有力で、日本人移住者が持っている着物の美しさに惹かれた現地の方が「着物をシャツにしてくれ」と和柄の着物をシャツに仕立て直したものが起源とされています。
その歴史はかりゆしウェアよりもずっと古く、1930年代初頭には「アロハシャツ」という呼称が定着していたようです。
現地ハワイで親しまれるようになっていたアロハシャツを見た観光客が、ハワイを訪れた記念にとアロハシャツを買い求め、持ち帰るようになりました。着物地のシャツがハワイの名物として認知され、徐々に広まっていき、アロハシャツの人気が高まっていったのです。
アロハシャツを主体とするアパレル産業が、ハワイにおける重要な産業として発展していくと、「アロハウィーク」や「アロハウェンズデイ」、「アロハフライデー」など、利用促進キャンペーンが試みられ、より多くのアロハシャツが普及していきました。
しかし、ハワイにはアロハシャツに用いられるようなカラフルな生地を染める工場がなかったため、そのほとんどはアメリカ本土や日本の京都で作られていました。
こうした背景もあってか、100人中100人が「アロハシャツを知っている」と答えられるのも、アロハシャツ黄金期を支えた日本の姿があったからかもしれませんね。現在ではアメカジを中心としたファッションで夏の装いとして人気を博しており、古いハワイ産のアロハシャツは「ヴィンテージアロハ」としてプレミア価格がついたアロハシャツも流通しています。
かりゆしウェアは、日本と関わりの深いアロハシャツをモチーフに作られています。いわば、アロハシャツの親戚として生まれてきたと言っても過言ではありません。
親戚というだけあって、かりゆしウェアとアロハシャツは基本的な形状やデザインがそっくりです。そのため、かりゆしウェアは「沖縄の県産品で沖縄らしさを表現したもの」と定義づけられ、アロハシャツと区別しています。
かりゆしウェアの起源は、昭和45年に当時の社団法人沖縄県観光連盟会長の故・宮里定三氏の発案により、「沖縄の暑い夏を快適に過ごすとともに、観光沖縄をPRするため」を目的に「沖縄シャツ」の名称で発売されたのが始まりでした。
当時の沖縄シャツはハイビスカスやデイゴ、沖縄伝統工芸品である琉球紅型(びんがた)や琉球絣(かすり)の柄をあしらったデザインが主流でした。その後、平成12年に名称を「かりゆしウェア」に統一され、同年「九州・沖縄サミット」にて、各国首脳がかりゆしウェアを着用したことがきっかけで急速に広まっていきました。
かりゆしウェアが広く普及し始めるとともに、デザインはもちろん、開襟シャツからボタンダウンや長袖、喪服用などのシャツもつくられるようなり、スタイルも多様化してきました。
沖縄県内では、かりゆしウェアは夏の正装としてすっかり定着しており、暑い夏を快適に過ごすビジネスウェアとして多くの方々が着用しています。また、かりゆしウェアはクールビズの取り組みの一環として政府に推進されています。
こうした背景により、かりゆしウェアは「仕事着」や「男性が着るもの」という印象をもたれがちですが、2011年の東京ガールズコレクションでは「かりゆしスタイルコレクション」が開催され、女性向けにワンピースやチュニックなどの商品やファッションとして着用できるような新しいデザインのかりゆしウェアも誕生してきています。
沖縄で結婚式を挙げる際に、出席者へかりゆしウェアの着用を薦めるケースが増えてきています。
「かりゆし」は沖縄の方言で「めでたい」「縁起がいい」という意味もあり、「自分たちらしさ」を求めるご夫婦に人気です。
また、特別な引き出物としてかりゆしウェアを贈る夫婦も多くなってきており、リゾートウェディングの新たなスタイルとして「かりゆしウェディング」が広がりつつあります。
アメカジの夏ファッションとして、デニムやハーフパンツと組み合わせたスタイルが多い。 | スラックスと革靴の組み合わせが定番だが、最近では普段のオシャレとしても着用できるようなデザインも増えている。 | |
男性の正装として着用される。マイレの葉の柄やウル(パンノキ)の木の柄が良いとされている。 | かりゆしウェア自体が正装として認められているため、どのような柄のシャツでも結婚式用で着用可能。通常は、スーツの上をかりゆしウェアに変えるような着こなしが定番。 | |
弔意を表す意味で「万物の終わり」を意味するラウハラの葉の柄が良いとされている。 | 喪服用のかりゆしウェアがあり、結婚式同様、喪服の上をかりゆしウェアに変えて着用する。 | |